« アップデートする仏教 | メイン | カサゴ(笠子) »

ニザダイの名前の由来

三の字鯛(サンノジダイ)とも呼ばれるニザダイ。

ニザダイの名前の語源を探っていくと、新背(にいせ)という言葉に行き着きます。

ニザダイ

冬に旬を迎えるニザダイ。

古語の世界では愛しい男性や夫のことを「背(せ)」と表現します。女性の妹(いも)に対する言葉ですが、古語を用いた歌の中にも「わがせ」という表現がよく見られます。

ニザダイの尾

新しく大人の仲間入りをした、いわゆる若者組に入ったばかりの新顔を新背(にいせ)と言います。

ニューフェイスの新背は、未熟な若造を意味する青二才の「二才」にも通じます。

新背(にいせ)と二才(にさい)は、お互いに言葉の響きがどことなく似ていますよね。

三の字とむつ

ニザダイ(三の字)が下、上に写っているのが「むつ」です。

ニザダイの名前は、新背(にいせ)の鯛に由来します。

鯛という高級魚仲間の下っ端と申しますか、やっとこさで鯛の仲間入りを果たした魚というような意味合いで、ニザダイと名付けられています。青二才の鯛とは名ばかりで、冬の活けで頂く味はなかなかのものです。

ニザダイの尾

尾っぽの付け根に三つの骨質板が並んでいます。

鯵でいうところの「ぜいご」に当たる部分に、硬い突起物があるのが特徴です。上から見ると、ちょうど三の字に見えるところから、三の字鯛、あるいは三の字ハギとも呼ばれます。

ニザダイ

ニザダイの名前の由来には、古語における「背」という言葉が関係していたんですね。

それにしても、なぜ男性を指し示す言葉が「背」だったのでしょうか。男の背中は古来より、何かを物語っていたのかもしれませんね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

当ブログをご覧いただきまして誠にありがとうございます。

「意味とはフレーズ表現辞典」は奈良の宿大正楼が運営しております。

日本語、英語、語源などの魅力をご案内致します。

Copyright © 2010-2023
意味とはフレーズ表現辞典 All rights reserved.

※写真の無断転載はご遠慮下さいますよう、お願い申し上げます。

アーカイブ

言葉のコレクション資格講座

Amazon

Powered by
Movable Type 3.34
About

2013年10月04日 09:30に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「アップデートする仏教」です。

次の投稿は「カサゴ(笠子)」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。