奈良県の飛鳥に阪田という集落があります。
そこに「神の宿る石」として知られるくつな石があります。
くつな石・・・妙に気になる名前です。
くつな石の由来はこうです。
その昔、ある山に巨大な石がありました。これに目をつけた石屋がこの石を切り出そうとして、ノミで一撃を加えたそうです。
そうすると、不思議なことに石の割れ目から赤い血が流れ出し、傷ついた白い蛇が現れました!
石屋はびっくり仰天して逃げ帰りました。その夜から高熱にうなされ、石屋はとうとう亡くなってしまったというお話が伝えられています。
恐ろしや、くつな石!
古語辞典で調べてみたら、蛇のことを「くちなは」と言っていたようです。
朽ちた縄に似ているところから、蛇の別名として使われていた言葉です。
おそらく時を経るに従い、くちなは → くつな と転訛していったのではないでしょうか。
それにしても、朽ちた縄とは・・・蛇もあまりいい気はしていないでしょうね(笑)