伊勢海老の産卵期は6~8月頃とされます。
産卵期の夏場には味が落ちる伊勢海老。ちょうどその期間には、伊勢海老を保護するための禁漁期が設けられています。伊勢海老の旬は、産卵期が終わった秋から春先にかけてとされます。
産卵期を英語に訳すと、spawning season となります。
魚、海老、貝などが卵を産むことを英語で spawn と言います。名詞としても使われ、しばしば集合的に the spawn と表現します。魚や蛙の卵が無数に産み落とされることからも想像できます。
二十四節気における大雪(たいせつ)の頃、その甘味を増すと言われる伊勢海老。新暦で言えば、12月7日~21日頃に当たります。ちょうどこの季節には、初雪の見参(げんざん)という言葉があります。その年の冬、初めて降る雪のことを言い表しています。
初雪の見参という言葉の由来は、遠く平安時代に遡ります。
初雪が降った日に群臣が参内したことにちなんでいる言葉なのですが、伊勢海老はちょうどそういう寒い時期に旬を迎えるのですね。
料理屋では、伊勢海老は活きたまま使うのが慣わしです。
伊勢海老は縁起物のため、その価格は身質よりも姿、色、大きさで決まります。触覚や足が抜けているだけで、その商品価値がグッと下がることで知られます。イセエビ漁には細心の注意が必要なのでしょうね。