輪宝とは車輪の形をした古代インドの武器のことで、インド理想の王「転輪聖王(てんりんじょうおう)」が持っていた七宝の一つとされます。
仏教と共に日本に渡って来た輪宝(りんぽう)。
輪宝は仏教に採り入れられ、王の行く所に先行して四方を制すると伝えられました。輪宝は法輪とも言われ、仏が法輪を転がしてゆくのは、転輪聖王が輪宝を転がすのに等しいとされます。
輪宝を転がすことは、障害となるものを破壊し、心の中の邪悪なものを壊してしまうことを意味します。
奈良の不退寺の歴史を辿れば、衆生済度のために「法輪を転じて退かず」と発願され、不退転法輪寺と号された由緒に行き着きます。
輪宝はまた、家紋の中の尚武紋にもよく見られます。
車輪の中央から剣の形をしたものが3~8個外へ向かってデザインされています。剣の数によって、三剣輪法、六剣輪宝、八剣輪宝などと呼ばれています。
余談になりますが、家紋を英語に訳すと family crest でしたね。
crest は鳥のトサカを意味する単語です(笑)