万葉集に「あえぬがに花咲きにけり」という件が出てきます。
あえぬがにとは? その言葉の意味に迫ります。
春日大社神苑の藤の花。
あえぬがにとは、落ゆ(あゆ)の連用形+完了の助動詞「ぬ」+接続助詞「がに」から成ります。
「あゆ」は落ち散る意味を表し、こぼれ落ちそうなほどに花が咲いている様を「あえぬがに花咲きにけり」と表現しています。
女性のか弱く、はかなげな様を形容動詞「あえかなり」で言い表しますが、これも動詞「落ゆ」との関連が見え隠れします。
「あゆ」という音から、浜崎あゆみを連想する人も多いのではないでしょうか。
第三者の目から見ると、波乱万丈の人生を送っておられるようにも見えるのですが、果たして「あゆ」という語感の為せる業なのでしょうか。勝手な解釈ではありますが、何となくダブって見えてくるのです。